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概要

 帯状疱疹は、水痘の初感染後、感覚神経節に潜伏感染していた水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化して発症します。免疫抑制剤を投与している患者や、65歳以上の高齢者によくみられます。身体の片側の知覚神経支配に沿って水疱疹が現れ、治癒後も帯状疱疹後神経痛とよばれる頑固な痛みを残し問題となります。

 およそ半数が胸部から腹部にかけて発症し、脳神経領域が14〜20%、腰髄・仙髄(腰の部分の脊髄)の神経支配領域が16%とされています。新しい水疱の出現は、およそ3〜7日間続き、その後痂皮化、完全治癒までおよそ2週間を要します。

 一般に小児は、成人と比較して皮疹、疼痛などの症状は軽く、まれに皮ふ症状を伴わず神経痛のみを訴える症例が存在します。また、耳鼻科領域の疾患として、顔面神経の膝神経節に潜伏感染した水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化しRamsay Hunt症候群(※)をきたします。

 合併症として最も問題なのは、帯状疱疹後の神経痛です。5〜10%の患者に出現し特に高齢者に合併することが多いです。免疫不全宿主においては、皮疹が局所だけにとどまらず血行性の散布により全身に播種することがあります。このような血行性の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の散布に伴い、水痘罹患時と同様に、肺炎、肝炎、脳炎、DIC等の重篤な合併症を起こしえます。

※Ramsay Hunt(ラムゼイハント)症候群は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって生ずる顔面神経麻痺を主な特徴とする疾患です。小児期に罹患した水痘の口腔粘膜疹からVZVが逆行性に、あるいはウイルス血症によって顔面神経の膝神経節に到達後潜伏し、後年それが再活性化することで神経炎が生じ、腫脹した神経が骨性顔面神経管の中で自己絞扼を生じ顔面神経麻痺、すなわち顔面半側の表情筋運動障害が発症するものです。加えて周囲の脳神経にも波及し、耳介の発赤・水疱形成や耳痛、難聴、めまいなどを合併する特徴があります。稀に下位脳神経炎や脳炎をきたし、重篤化します。

※わが国では1年間に約60万人に帯状疱疹の発症があること及び、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験することが推定されます。

出典:国立感染症研究所ホームページ
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則
更新:2014/10