<インフルエンザ情報>流行の立ち上がりは2014~15年と同水準となってきているが、12月中にある程度大きな流行となると予想されることに変わりはない
図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第49週まで)<br />監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
図. 各シーズンのインフルエンザ推定患者数 週別推移(2016年は第49週まで)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
 インフルエンザの流行の立ち上がりは、ここへきて2014/2015年シーズンと同水準となりつつあるが、12月中にある程度大きな流行となると予想されることに変わりはありません。今後ともインフルエンザの患者発生の推移には注意が必要です。

流行のようす

 薬局サーベイランスによると、2016年第49週(12月5日~12月11日)の推定患者数は134,233人で、第33週以降17週間連続して増加が続いています。

 一方、第47週以降の流行の立ち上がり方は予想よりも緩やかであり、やはり12月中に大きな流行となった2014/2015年シーズンと同水準となってきています。

 第50週の月曜日(12月12日)の推定患者数は35,406人と、今シーズンこれまでの1日の患者数の最高値を1万人近く上回っており、インフルエンザの患者数は今週も更に増加するものと思われます。

都道府県別情報

 人口1万人当たりの1週間の推定受診者数は、北海道、富山県、栃木県、岩手県、福井県、沖縄県、新潟県、東京都、広島県、群馬県、奈良県、香川県の順となっています。

年齢別情報

 今シーズン累積の推定患者数は473,640人で、年齢群別では10~14歳(14.0%)、5~9歳(13.9%)、40~49歳(12.8%)、30~39歳(12.1%)、20~29歳(10.0%)、15~19歳(8.9%)、50~59歳(8.4%)、0~4歳(7.8%)の順となっています。10~14歳の年齢群の増加が目立っています。

ウイルスの型

 国立感染症研究所によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルスは、A/H3(A香港)亜型が86.7%と大半を占めており、次いでA/H1pdm 11.1%、B型2.2%の順となっています。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
更新:2016/12/14

関連記事


RECOMMEND