【感染症ニュース】コロナよりも症状が重い!? RSウイルスの流行地域拡大に注意
2021年6月3日更新
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西日本を中心に感染が拡がっています
西日本を中心に感染が拡がっています
 RSウイルス感染症の季節外れの流行が続いています。

 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが伝播することによって発生する呼吸器感染症です。

 感染すると、発熱や鼻汁など上気道炎から始まり、咳などの下気道症状があらわれます。

 国立感染症研究所によると、2021年第20週(5/17~5/23)の患者報告数は、西日本を中心に各地で増加しています。特に、2021年第3週(1月18日~1月24日)頃から流行が始まった九州地方では、福岡県や佐賀県などで依然、多くの患者数が報告されています。また、山口県や奈良県など、ゴールデンウイーク明けから患者報告数の急増が目立つ地域もあります。その他、富山県・石川県・福井県など北陸地方でも前週(5/10~5/16)から増加しており、今後の感染者数の推移に注意が必要です。

 RSウイルスは感染力が強く、免疫がない乳幼児にとっては、新型コロナウイルスよりも感染した時の症状が重い場合もあり、警戒すべき感染症です。咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着しているおもちゃやコップなどを触ったり舐めたりすることで感染します。お子さんの手指衛生はもちろんのこと、ご家族など周りの大人は、マスク着用を徹底するなど、ウイルスからお子さんを守りましょう。

 季節外れの流行の要因は分かりませんが、この流行がただちに収束することは考えにくく、今後、中部地方から関東地方など東日本へ感染が拡がることが懸念されます。特に、人口が多い愛知県や首都圏などで1度流行すると、影響は大きいため、今後の感染動向に注意してください。

感染症予防接種ナビでは、みなさまからRSウイルス感染症の経験談を募集しています。

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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