【感染症ニュース】インフルエンザが再び増加傾向に 各地で早くも学級閉鎖が発生 今年のワクチンは10月から接種開始
2023年9月8日更新
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ワクチンで予防!
ワクチンで予防!
 厚生労働省が9月1日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和5年第34週(8/21-27) によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は1.40。前週から約40%の増加となりました。報告数の多い県は、鹿児島5.41、宮崎3.17、福岡2.65などで、九州地方を中心に西日本で報告数が多くなっています。例年ならば、ほとんど感染の報告がないこの時期に、感染者が発生し続けるという状況が続いています。

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感染症に詳しい医師は・・・

 感染症に詳しい大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「インフルエンザは定点当たり報告数が1を超えると流行期入りとなっていますが、今年は1度も1を下回ったことはなく、患者が発生し続けています。現在のこの状況を流行と捉えていいのかどうか、判断が難しいところですが、これから暑さが和らいでくるに従って感染者数は増えていくと予測しています。学校も夏休みが終わり再開しましたので、お子さんたちの間でもインフルエンザの感染も増えていくのではないかと思っています」と語っています。

インフルエンザとは?

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴です。あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。

早くも学年閉鎖、学級閉鎖が

 夏休みが終わったばかりですが、第34週には早くも山形で学年閉鎖、茨城で学級閉鎖が発生しました。安井医師は「インフルエンザの感染者数は、新型コロナの流行時には世界的に大きく減少していましたが、昨シーズンはアメリカやヨーロッパでは大きな流行になりました。日本では昨シーズンはそれほど大きな流行にはなりませんでしたが、この3年間にインフルエンザにかかっていない方が多い現在、今年は多く方がかかるのではないか予測しています。また、例年よりも流行時期が早まり、10月にはある程度の流行になるかもしれません。新型コロナも再び増加傾向にあるので、新型コロナとの同時流行の可能性もあります」としています。

ワクチンの接種は10月から

 インフルエンザの感染や発症、重症化を防ぐ効果が期待できる、インフルエンザワクチン。今年も10月から接種が開始予定です。今年は約3121万本供給される見込みで、9月末の時点でその半数を上回る約1660万本が出荷される予定です。これは65歳以上の高齢者の約9割が1回ずつ接種できる量に相当します。

 安井医師は、「インフルエンザワクチンは、まず高齢者や基礎疾患のある方などがまず接種し、その後多くの方に受けていただけるよう供給されます。今年は流行が早まりそうではありますが、まず重症化が心配な方から接種をして、その後多くの方が接種をしていただけるといいと思います」と語っています。

65歳以上は定期接種


 インフルエンザワクチンは、予防接種法により次の方たちは定期接種の対象になっています。

・65歳以上の方
・60〜64歳で、心臓、じん臓もしくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方(概ね、身体障害者障害程度等級1級に相当)
・60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(概ね、身体障害者障害程度等級1級に相当)

 これらに該当される方は、自治体によって一部あるいは全額が公費で助成されます。かかりつけ医やお住いの市町村などに相談の上、接種を進めてください。


引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和5年第34週(8/21-27)、「2023/24 シーズンのインフルエンザワクチンの供給等について」(2023年8月28日)、インフルエンザQ&A

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 安井良則氏

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