【感染症ニュース】女性は20代の感染が多い梅毒 東京都が女性限定の即日検査を新たに実施するワケ… まずは検査を
2023年10月5日更新
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梅毒は薬で治療が可能です!
梅毒は薬で治療が可能です!
 国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報2023年38週(9/18〜24) 速報データによると、この1週間の梅毒の感染者報告数は全国163人。今年の累積報告数は1万0957人となりました。去年のこの時期(2022年38週)の累積報告数と比較すると、約1.22倍に増加しており、流行の拡大傾向は続いています。

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梅毒とはどのような感染症?

 梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体により引き起こされる感染症で、主にセックスなどの性的接触により、口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。また、一度治っても再び感染することがあります。

梅毒に感染すると?

 梅毒に感染すると、性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりができたり、痛み、痒みのない発しんが手のひらや体中に広がることがあります。また、これらの症状が消えても感染力が残っており、人にうつす可能性があるほか、治療しないまま放置しておくと、数年から数十年の間に心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、時には死にいたることもあります。

 都道府県別では、東京都2684人、大阪府1489人、福岡県652人、愛知県628人、北海道519人、神奈川県496人と大都市圏が多い一方、すべての都道府県で患者が発生しています。男性では20〜50代が多く、女性では20代が多くなっています。2022年のデータでは、報告数の約3割が女性です。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「特に問題となっているのは、若い女性が梅毒に感染していることに気づかずに妊娠して、おなかの赤ちゃんも梅毒に感染してしまうことです。早産や死産になったり、生まれてくる子どもの神経や骨などに以上をきたす『先天梅毒』になることもあり、感染拡大とともに増えています。梅毒は、抗菌剤で治療が可能です。検査を受け、適切な治療を受けることが、感染拡大を防止することになります」としています。

東京都では、祝日に女性限定の検査を実施

 検査・治療は皮膚科のほか、泌尿器科、婦人科などで受けられます。また地域によっては保健所などで匿名・無料で検査できるところもあります。東京都では若い女性の感染が多いことを受け、9月から来年3月まで、新宿東口検査・相談室において、女性を対象とした即日検査を新たに実施しています(12月を除く・月1回)。東京都保健医療局によると「東京都では、梅毒やHIVが検査できる検査・相談室、新宿と立川に設置しており、年末年始と祝日を除く毎日、無料匿名で検査を受けられます。ただ、女性の方は男性の方がいると検査を受けにくいということがあると思いますので、通常は休みにしている祝日に女性限定の検査を実施し、気軽に検査を受けていただける日を設けました。すでに9月に実施し、ご利用いただいています。その日のうちに結果が出る即日検査は電話予約のみの受付になりますので、ホームページなどで検索して、ご予約いただければと思います」としています。

3月には医療従事者向け講習会も実施

 また、東京都では3月に主に性感染症の専門診療科ではない医療従事者に向けて、オンライン講習会を実施しました。

 「梅毒が増えてきたのはこの10年のことです。専門でない医療従事者の方は実際に診たことがない方もいらっしゃるのではないかということで、梅毒の専門家の先生をお招きして、梅毒の症状、検査方法、診断、治療について、最新の動向を医療従事者に向けて発信しました。これからも梅毒という感染症の増加に対し、さまざまな対策を行なっていきます」としています。

引用
国立感染症研究所 感染症発生動向調査週報 2023年38週(9/18〜24)、IDWR2022年第42号〈注意すべき感染症〉梅毒、妊娠梅毒の治療
厚生労働省HP:梅毒、梅毒に関するQ&A
東京都福祉保健局:報道発表資料「都内で梅毒が急増しています!3月にとくべつ検査など早期発見・治療につながる取組を行います(2023年2月16日)」「梅毒の感染拡大を止めるため検査体制の拡充・集中的な広報を行います(2023年8月2日)」

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 安井良則氏
東京都福祉保健局

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