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2018年の10月に注意してほしい感染症についてはこちらから

 10月に注意してほしい感染症は、

 No1・RSウイルス感染症
 No2・溶連菌感染症
 No3・ノロウイルス感染症
 No4・腸管出血性大腸菌感染症

 では、これらの感染症を詳しく見ていきましょう。

RSウイルス感染症

 RSウイルス感染症はこれまでにない流行になっていますが、10月も引き続き厳重な注意が必要です。

 RSウイルス感染症は、生後1か月未満でも感染する可能性がある感染症です。無呼吸の原因になることがあります。新生児や0歳、1歳児は、時に重症化する可能性があります。

 9月中旬の報告では過去最多の報告数となっており、非常に注意が必要な感染症です。

 感染経路は、インフルエンザと同様、飛沫感染や接触感染です。RSウイルス感染症は感染力が強く、感染しても症状が軽い(鼻風邪程度)場合があり、感染症とは気付かずに、乳幼児に接触してうつすことがあります。

 予防法は、手洗い、咳エチケットなどが、有効ですが、乳幼児自身が予防することは難しいです。

 そのため、咳などの症状がある年長児や大人には、0歳児、1歳児のお世話はすすめられません。しかしながら、お世話をしなければならないときは、手洗いやマスクの装着などで乳児に感染させないように気をつけましょう。

【かかりつけ医に相談したほうが良い症状】

 ●息がゼイゼイと呼吸が苦しそうになる。

 ●咳で何回も夜中に起きる。

 ●熱が下がっても症状が改善されない。

 ●咳込んで嘔吐してしまう

 ※悪化するときには、発熱はあまり関係がありません。

RSウイルス感染症

溶連菌感染症

 12月の流行のピークに向けて患者数が増加していく時期です。

 溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)は、学童期の小児に最も多く見られる感染症です。突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症し、しばしばおう吐を伴います。

 主な感染経路は、発症者もしくは保菌者(特に鼻咽頭部に保菌している者)からの飛沫による飛沫感染と、濃厚な直接接触による接触感染です。物品を介した間接接触による感染は、あまりありませんが、患者もしくは保菌者の口腔もしくは鼻腔由来の体液が明らかに付着している物品の取扱には注意が必要です。発症者は、適切な抗菌薬による治療が開始されてから48時間が経過するまでは、学校、幼稚園、保育園での集団生活は許可すべきではないとされています。

 予防のためのワクチンは、まだ実用化されていません。予防には、手洗い、うがい、咳エチケットなどが有効です。

溶連菌感染症

ノロウイルス感染症

 11月、12月の流行のピークに向けて、今後患者数が増加してくるものと予想されます。

 ノロウイルス感染症の主な症状は、はき気、おう吐及び下痢です。通常は便に血液は混じりません。あまり高い熱とならないことが多いです。小児ではおう吐が多く、おう吐・下痢は一日数回からひどい時には10回以上の時もあります。特効薬はありません。症状の持続する期間は短いですから、その間に脱水にならないように、できる限り水分の補給をすることが大切です。

 感染経路は、保育園や学校、ご高齢者の方々の施設等で爆発的に集団感染する場合、人から人への接触感染で広がっていることが大半であると考えられます。ノロウイルス感染症の感染予防策として大切なことは、接触感染を防ぐための流水・石鹸による手洗いが一番重要です。

ノロウイルス感染症

腸管出血性大腸菌感染症

 8月、9月の流行のピークのあと、患者数は減少していくと予想されますが、まだ10月も患者が発生する状態が続きますのでご注意ください。

予防法は、牛の生肉、生レバーを食べない。火の通っていない食材を取り扱ったり、食べたりする際は、別けて盛り付けたり、箸を使い分けることが大切です。

 症状は、感染後3~5日間の潜伏期間を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様性の下痢が起こり、その後で血便となります(出血性大腸炎)。発熱は軽度です。血便は、初期段階では、少量の血液の混入で始まりますが、次第に血液の量が増加し、典型例では血液そのもののような状態となります。

 主な感染経路は、腸管出血性大腸菌によって汚染された食材や水分を経口摂取することによる経口感染です。例年、腸管出血性大腸菌の感染者の報告数は、0~4歳児が最多です。5~9歳がこれに次いで多い状況です。感染後の発症率も9歳以下は80%前後と高くなっています。

腸管出血性大腸菌感染症


監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏