「感染症・予防接種ナビ」は、広島テレビ放送が運営しており、厚生労働科学研究「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者・鈴木基)の 「ワクチンの有効性、安全性、啓発に関する研究」(研究分担者・岡部信彦)の研究活動の一部に協力しています。
子育てに欠かせない「正しく信頼できる」感染症情報の発信と予防接種の啓発を、公的機関や専門医の監修と取材協力のもと、分かりやすく伝えるサイトです。
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新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

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【感染症ニュース】2024年11月麻しん患者が大阪・千葉・福岡で発生 抗体無ければ、ほぼ100%発症! 医師「流行している東南アジアなどの地域と往来ある方は注意」

麻しんとは?

麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。感染すると約10日後に発熱やせき、鼻水と言った風邪のような症状が現れます。2〜3日熱が続いたあと、39℃以上の高熱と発しんが出現します。肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎を発症すると言われています。死亡する割合も、先進国であっても1000人に1人と言われています。

【2024年】12月に注意してほしい感染症!インフルエンザの動向に要注視マイコプラズマ肺炎は過去最多を更新医師「首都圏は伝染性紅斑に注意」

免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%が発症する

麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%が発症すると言われており、発症者と同じ部屋にいるだけで感染することがあります。

今年はすでに40人の患者が発生

麻しん患者は、2021、2022年には各6人、去年(2023年)には28人の患者が発生しました。そして今年はすでに40人の患者が発生しています。11月には大阪・千葉・福岡などで麻しん患者が発生しています。

大阪では11月7日、23日に1人ずつ発症

大阪では11月7日に30代の男性が麻しんを発症しました。主な症状は発熱、発疹、鼻汁、結膜充血、下痢、倦怠感などで、入院をしています。この方は感染性のある11/6~8に大阪や神戸などを電車で移動。11/8~12にベトナムに滞在しています(関西空港を利用)。
また、11月23日に20代の男性が発症していますが、この方もベトナムに滞在していて、前出の男性と同じ航空機を利用した可能性があります。主な症状は発熱、咳、鼻汁、結膜充血、発疹、頭痛、咽頭痛。11/23にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行っています。

千葉では11月19日には1人発症

千葉では11月19日に、ベトナムから帰国した船橋市在住の10歳未満の男性が麻しんを発症しました。この方は11/21朝にベトナム・ホーチミンから空路成田に帰国しました。
主な症状は発熱、発疹、鼻汁、咳で、入院をしました。ワクチン接種歴はありませんでした。

福岡では11月24日に1人発症

福岡では11月24日に10歳未満の男性が麻しんを発症しました。この患者はベトナムの滞在履歴があり、11/23に飛行機でハノイから福岡に帰国しました。主な症状は発熱、発疹、コプリック斑で、ワクチン接種歴はありませんでした。

ベトナム・ホーチミン市内で麻しんが流行中!

今回紹介した事例は、いずれもベトナムの滞在歴がある方が麻しんを発症しています。2024年9月ベトナムの在ホーチミン日本国総領事館では、ホーチミン市内で麻しんが流行しているという注意喚起を発表しており、海外で感染して日本で発症するというケースが増えることが懸念されています。
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長の安井良則医師は、
「今回の患者さんはいずれもベトナムで感染、あるいはベトナムから持ち込まれて日本で発症しています。今は、こうした患者さんからの二次感染の報告は、現状、分かっていませんが、このようなケースが増えていくと、いずれ国内でも二次感染が増えていくのではないかと懸念しています。東南アジアなど、麻しんが流行している地域と往来の予定がある方は、ワクチン接種歴の無い方は接種をして行かれた方がいいと思いますが、現状、麻しんを含む麻しん含有ワクチンは不足しがちなので、余裕を持って準備していただければと思います」と話しています。

ワクチン接種が最も有効な予防法

麻しんはワクチンで予防ができる感染症です。現在は定期接種となっており、1歳になった時と、小学校入学前の1年間の2回接種します(多くはMR=麻しん風しん混合ワクチンが接種されます)。ワクチンを接種すると1回で95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得でき、2回接種すれば、1回では免疫がつかなかった多くの方に免疫をつけることができるといわれています。

定期接種の期間を逃してしまったら…

麻しんワクチン(MRワクチン)は決められた期間であれば公費で無料で受けることができます。その期間が過ぎてしまった場合でも自費になりますが接種することはできるので、かかりつけ医などにご相談ください。また、自治体によっては定期接種の機会を逃した方への接種費用の助成を行なっているので、お住まいの市区町村などにお問い合わせください。

引用
厚生労働省:麻しんについて、麻しん風しん予防接種の実施状況
国立感染症研究所:麻しん発生動向調査2024年第47週速報グラフ
大阪府:麻しん(はしか)に関する注意情報(令和6年11月14日)
船橋市:船橋市内における麻しん患者の発生について(令和6年11月26日)
東大阪市:麻しん(はしか)患者の発生に伴う注意喚起(令和6年11月29日)
福岡県保険医療介護部:麻しん患者発生について(令和6年12月2日)

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2024年12月期

インフルエンザ
新型コロナウイルス感染症
マイコプラズマ肺炎 
感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2024年第47週(2024年11月18日~2024年11月24日)

流行の様子

インフルエンザ(季節性) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) マイコプラズマ肺炎 ノロウイルス感染症
 

インフルエンザ(季節性)

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

マイコプラズマ肺炎

情報元:IDWR2024年第47週(2024年11月18日~2024年11月24日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

ノロウイルス感染症

情報元:日本学校保健会
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
びせいぶつ芸能社
風疹ゼロプロジェクト
「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
厚生労働省が11月29日に発表した「インフルエンザの 発生状況について」令和6年第47週(11/18-24 )によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は、 2.36。今シーズンに入り初めて2を超えました。12 月を前に・・・
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厚生労働省が11月29日に発表した「インフルエンザの 発生状況について」令和6年第47週(11/18-24 )によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は、 2.36。今シーズンに入り初めて2を超えました。12 月を前に、気温も下がってきました。いよいよ本格的な流 行が始まるのでしょうか。感染症に詳しい大阪府済生会中 津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、「イン フルエンザは、定点で2を超えると、流行に勢いがつくと 言われています。2019年の12月と同じような動きを しているため、患者報告数は、このまま伸びて行く可能性 が高いと予測しています。一方で、昨年の2023年の一 年を通じた患者報告数は、過去最多となりました。昨年の 流行で、免疫を持っている方も多いと考えられるため、ど こまで増え続けるのか、または先細りになるのかは予測が できません。インフルエンザに感染し、5歳未満が発症し た場合、重症化のリスクもあります。基礎疾患をお持ちで あったり、健康面で不安のある方は、流行のピークを迎え る前に接種を検討してみてください」としています。
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