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新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

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感染症ニュース

【感染症ニュース】30歳女性が高熱・嘔吐・下痢… 炎症反応検査値17で即入院 カンピロバクター感染症に注意(再掲)

厚生労働省によると、日本における細菌性食中毒の中で近年、もっとも多く報告されているのが、カンピロバクターによる食中毒です。カンピロバクター食中毒の主な原因と推定される食品、または感染源として、生の状態や加熱不足の鶏肉、調理中の取り扱い不備による二次汚染などがあげられています。症状は、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などで、多くの患者は1週間ほどで治癒します。一般に、細菌性食中毒の発生は、気温と湿度が高くなる夏場に多いとされます。一方で、カンピロバクター感染症は、年間を通して、発生が報告されており、注意が必要な感染症です。

【2月に注意してほしい感染症!】感染症全般に落ち着きもインフルエンザB型の流行の可能性 医師「溶連菌感染症も動向注視」
今回は、カンピロバクターによる感染症で、入院を要したケースをご紹介します。

経験談(30歳・愛知県)

天皇誕生日の祝日、彼氏と焼き鳥屋さんでレバ刺しを食べた。
2/27月曜日の夜。強烈な寒気と共に38.5℃まで上がる。
2/28発熱外来を受診。コロナ、インフル陰性。医師から炎症反応が17ある、大腸が腫れていると言われ、即入院。寒気と倦怠感が酷い。40.2度まで上がり、座薬投与。
3/1-3水様便が10分おきくらいに出る。夜も寝られない。熱は37℃台。
3/4-5食事を取れるようになる。夜寝られるようになる。泥状の下痢になってくる。熱37℃台。もう二度と生は食べません!!!

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「カンピロバクターによる食中毒は、年間を通して発生しています。今回の方は、入院されたとのことですが、体内の炎症の有無を判断するCRP検査の数値が17と高い数値を示しています。この数値は、細菌感染をして、体内に炎症が起きたり、組織の一部が壊れると、数値が上がります。カンピロバクター感染症の主な原因とされる鶏肉を生や半生、加熱不足の状態で食べるのは、感染のおそれがあるため、危険です。また、症状が回復した後、しばらくして『ギラン・バレー症候群』を発症することもあります。ギラン・バレー症候群にかかると、手足のしびれや麻痺が起こります。ある日、脚からしびれ、突然、立てなくなるケースがあり、再発の可能性もあります。私は、絶対に食べません」としています。

感染経路

食中毒集団発生で原因食品が判明した事例では、肉類が最も多く、大半は鶏肉およびその内臓肉です。一方、牛レバーの生食による例も見られます。しかし実際の食中毒事例では、少数菌でも感染が成立すること、潜伏期間が比較的長いこと、通常大気中では死滅しやすいことなどの理由から感染源の特定は極めて困難です。その他に、ペットからや、乳幼児収容施設での流行など、ヒト‐ヒト感染、井戸水、湧水および簡易水道水を感染源とした水系感染事例もあります。海外での旅行者下痢症の原因ともなります。

症状

主な症状は胃腸炎で、潜伏期間が2~5日間と他の胃腸炎よりやや長いことが特徴です。汚染食品中ではあまり菌が増殖せず、かつ少量の菌数でも発症するため、潜伏期間が長くなるのは摂取菌数の差によると考えられています。症状は下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の感染型細菌性食中毒と酷似していますが、カンピロバクターは1日最高便回数が多く、血便を伴う比率も高いことが特徴です。発熱を伴うことが多く、改善病日でみるとカンピロバクターはサルモネラと比較して早く回復します。胃腸炎の局所合併症として胆嚢炎、膵炎腹膜炎などがあります。まれですが腸管外感染として菌血症、髄膜炎などがあります。

予後

一般的な予後は、一部の免疫不全患者を除いて死亡例も無く、良好な経過をとります。しかし、近年感染後1~3週間(中位数:10日間)を経てギラン・バレー症候群(GBS)を発症する事例が知られてきました。GBSの罹患率は諸外国でのデータでは、人口10万人当たり1~2人とされています。日本での発生状況については報告システムがなく実数は不明ですが、年間2,000人前後の患者発生があるものと推定されています。カンピロバクター感染症に後発するGBSはこれまで散発例として確認されてきましたが、1999年12月東京都において、カンピロバクター集団食中毒患者19名中、1名のGBS患者の発生が確認されました。

治療

一部の免疫不全者を除き予後は良好で、軽症例では抗菌薬治療なしでも自然に軽快することも多くあります。急性腹症、他の原因による急性胃腸炎、食中毒などと見分けながら食事療法、脱水の予防・治療などを行います。整腸剤は投与しますが、腸管蠕動(ぜんどう)を抑制するような薬剤は使用しないのが原則です。感染性は下痢急性期に高く、2~3週間排菌が持続しますが、有効な抗菌薬が投与されると排菌期間が短縮され、2~3日で感染性が失われます。

予防

カンピロバクターは、低温環境下で、より長時間生存できるため、冷蔵庫を過信してはいけません。加熱には弱いので、食品の正しい加熱調理に努めるとともに、調理などの過程で他の生鮮食品や調理器具の汚染に注意しましょう。鶏肉などを取り扱う場合は調理する人の手洗い、まな板などの調理器具を清潔に保ちましょう。特に乳幼児には鶏刺し、砂ずり刺し、牛レバー刺しなどの生食はさせないようにすることが重要です。食中毒が疑われる場合には、24時間以内に最寄りの保健所に届け出ましょう。

まとめ

カンピロバクターは牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中にいる細菌で、この細菌が付着した肉を生で食べたり、加熱不十分の状態で食べることによって、食中毒を発症します。家庭で調理する時はもちろん、飲食店で提供されるからといって安心してはいけません。特に鶏肉の生焼けや生食は避け、じゅうぶんに加熱されたものを食べましょう。市販の鶏肉からも、カンピロバクターが高い割合(厚生労働省によると20~100%)で検出されることがわかっています。家庭で調理する際は、中心部を75℃で1分以上加熱することを目安に、表面だけでなく、中心まで完全に白くなっていることを確認してから食べるようにしましょう。一部分でも赤みが残っている場合は、必ず再加熱し、そのまま食べるようなことは決してしないでください。また、調理前は必ず手を洗い、サラダなど生で食べる食材とは別に調理するなど、二次汚染を防止しましょう。

引用
国立感染症研究所「カンピロバクター感染症とは」

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2025年2月期

インフルエンザ
新型コロナウイルス感染症
RSウイルス感染症
伝染性紅斑(りんご病)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2025年第5週(2025年1月27日~2025年2月2日)

流行の様子

インフルエンザ(季節性) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) RSウイルス感染症 伝染性紅斑
 

インフルエンザ(季節性)

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

RSウイルス感染症

報告数
北海道
263
青森
15
岩手
42
宮城
14
秋田
9
山形
14
福島
38
茨城
35
栃木
47
群馬
66
埼玉
134
千葉
59
東京
174
神奈川
130
新潟
35
富山
7
石川
34
福井
36
山梨
11
長野
30
岐阜
60
静岡
57
愛知
90
三重
58
滋賀
21
京都
50
大阪
333
兵庫
177
奈良
54
和歌山
33
鳥取
3
島根
21
岡山
16
広島
67
山口
63
徳島
25
香川
33
愛媛
43
高知
6
福岡
137
佐賀
29
長崎
16
熊本
31
大分
20
宮崎
17
鹿児島
19
沖縄
5
情報元:IDWR2025年第5週(2025年1月27日~2025年2月2日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

伝染性紅斑

情報元:IDWR2025年第5週(2025年1月27日~2025年2月2日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
びせいぶつ芸能社
風疹ゼロプロジェクト
「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
厚生労働省が12月20日に発表した「インフルエンザの 発生状況について」令和6年第50週(12/9~15) によると全国のインフルエンザ定点当たり報告数は19. 06。前週から9.03から2倍以上の急増で、3週連続 して倍増・・・
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厚生労働省が12月20日に発表した「インフルエンザの 発生状況について」令和6年第50週(12/9~15) によると全国のインフルエンザ定点当たり報告数は19. 06。前週から9.03から2倍以上の急増で、3週連続 して倍増を続けています。全都道府県で前週より増加。大 分と福岡が30を超え警報レベルに。鹿児島、愛媛、佐賀 千葉、愛知、北海道、鳥取、大阪、広島、長野、島根、岐 阜、山口、三重で20を超えています。感染症に詳しい大 阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医 師は「インフルエンザがいよいよ本格的な流行となってい ます。新型コロナが流行する以前は、今年のように急激に 増加するように流行が広がっていきました。ようやく新型 コロナの影響が弱まり、以前のような流行の仕方が戻って きたという印象があります。例年の流行のピークは年明け でしたので、流行の始まりが少し早まっているのか、それ とも今後さらに増加して大きな流行になっていくのかどう かは、注視する必要があると思います。定点当たり報告数 は年によっては60近くまで増加することもありました」
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