「感染症・予防接種ナビ」は、広島テレビ放送が運営しており、厚生労働科学研究「ワクチンで予防可能な疾病のサーベイランスとワクチン効果の評価に関する研究」(研究代表者・鈴木基)の 「ワクチンの有効性、安全性、啓発に関する研究」(研究分担者・岡部信彦)の研究活動の一部に協力しています。
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新型コロナウイルス感染症

2019年末頃より「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」が中国の武漢市を中心に出現し、世界中で患者数が増加しています。

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感染症ニュース

【感染症ニュース】《経験談》新型コロナ50歳咽頭痛・38.5℃発熱・症状おさまった後も3週間続く咳… 医師「流行は横ばいから、やや増加」

厚生労働省が2025年1月31日に発表した令和7年第4週(1/20-26)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」によると、全国の定点当たり報告数は6.06。前週の5.62から約7%増加しました。年始より横ばい状態が続く新型コロナ。この先流行はどうなっていくのでしょうか。感染症に詳しい医師に聞きました。

【2月に注意してほしい感染症!】感染症全般に落ち着きもインフルエンザB型の流行の可能性 医師「溶連菌感染症も動向注視」

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「私が勤めている病院では、新型コロナによる入院患者が0となった時期もありますが、昨日3人相次いで入院されました。いずれも新型コロナが原因ということではなく、入院のためのスクリーニング検査を行ったところ新型コロナウイルスが検出されたという状況です。先週辺りから、医療関係者の中でも、新型コロナ感染が判明した方が散見されます。2024年末から、患者報告数は、週ごとに増減があり、一進一退と言った状況が続いています。流行は依然として続き、収まっていないという印象です」と語っています。

新型コロナウイルス感染症とは?

新型コロナウイルスは感染者の口や鼻から・くしゃみ・会話のときに排出されるウイルスを含む飛沫、またはエアロゾルと呼ばれるさらに小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内に近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分で混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。感染すると2〜7日の潜伏期間のあと、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、咳といった上気道症状に加え、倦怠感・発熱・筋肉痛・頭痛といった全身症状が生じることが多く、その症状はインフルエンザとよく似ています。オミクロン株が主流となった現在は、嗅覚・味覚障害の症状は減少しています。軽症の場合は1週間以内に症状が軽快することが多い一方、発症から3か月を経過した時点で何らかの症状が2か月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかない場合には、罹患後症状(後遺症)の可能性を考える必要があります。

《経験談》新型コロナウイルス感染症 50歳福岡県

福岡県の50歳の方から新型コロナの経験談が寄せられました。
「0日目
朝から喉がむずむずして咳が出る。就寝前に倦怠感。
1日目
朝寒気がしたので体温を計ったら38.5度、病院の診察予約し、一度仮眠。病院に行く前に体温を計ったら37.5度に下がる(薬は飲んでいません)。病院に行って体温を測ると36.5度、検査でコロナ陽性と判明。解熱剤、咳止め、喉の腫れを抑える薬を処方してもらう。今年はインフルエンザが急に症状が出ないようなタイプとの報道があったのでそっちを疑っていた。帰宅後に痰が出始める、倦怠感も多少ある。夕食後の体温38.0度、軽い頭痛も出てくる(普段から頭痛持ちなのでコロナが原因かはわかりません)。
2日目
熱の最高は37.5度、それ以外は前日と大体同じ症状
3日目
体温は平熱に戻る、痰もほぼ出なくなる。ここから新たに鼻水、鼻詰まり、喉の痛み(酷くはない)、夜から下痢が始まる。のどの痛みは常備していたトローチとのど飴で対応。
4日目
昼前に下痢は治まる。咳、鼻水、鼻詰まり、喉の痛みは相変わらず。倦怠感はほぼ無くなる。
5日目〜
殆どの症状は終息したが軽い咳が以降3週間程度継続する。薬は特に使っていません。もし、病院に行かなかったらインフルエンザと区別が付かなかったかも知れません。また、今回は食欲が全く落ちなかったのが理由なのか療養中でもさほどきつくなく、自室で普段通りの生活を送る事が出来ていました」
安井医師「新型コロナの経験談をお寄せ頂き、ありがとうございます。咽頭痛や発熱と言った症状に加え、医療機関で検査結果が出ていることから、間違いないでしょう。新型コロナウイルス感染症は、発熱や呼吸器系の疾患が出る方が多いですが、中には、下痢の症状を訴えられる方もいらっしゃいます。この方は、抗ウイルス薬の服用もない中で、症状がそれほど重くなく済んで良かったと思います。新型コロナウイルス感染症の症状には個人差があって、この方のように軽症の場合もあれば、重症化する方もいらっしゃいます。特に高齢者、基礎疾患のある方などは重症化の可能性が高いので、抗ウイルス薬の服用を医師が勧める場合があります。また、新型コロナはいわゆる後遺症が残る可能性も指摘されています。これは症状がおさまっても体内に新型コロナウイルスが残り、後遺症の原因になっている可能性が考えられます。抗ウイルス薬は体内のウイルスを減少させる効果があるので、新型コロナに感染して症状が重かったり、後遺症が気がかりな方も抗ウイルス薬の服用を検討されるといいと思います」

引用
厚生労働省:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」令和7年第4週(1/20-26)
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
感染症ニュース一覧
予防接種における間違いを防ぐために

注意してほしい感染症

2025年2月期

インフルエンザ
新型コロナウイルス感染症
RSウイルス感染症
伝染性紅斑(りんご病)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ
咽頭結膜熱
溶連菌感染症
感染性胃腸炎
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
百日咳
ヘルパンギーナ
流行性耳下腺炎
急性出血性結膜炎
流行性角結膜炎
マイコプラズマ肺炎
情報元:IDWR2025年第4週(2025年1月20日~2025年1月26日)

流行の様子

インフルエンザ(季節性) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) RSウイルス感染症 伝染性紅斑
 

インフルエンザ(季節性)

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

RSウイルス感染症

報告数
北海道
234
青森
8
岩手
11
宮城
25
秋田
14
山形
12
福島
52
茨城
43
栃木
40
群馬
61
埼玉
129
千葉
37
東京
161
神奈川
109
新潟
19
富山
11
石川
26
福井
24
山梨
9
長野
28
岐阜
32
静岡
35
愛知
67
三重
81
滋賀
17
京都
36
大阪
310
兵庫
161
奈良
50
和歌山
35
鳥取
2
島根
16
岡山
22
広島
61
山口
41
徳島
20
香川
27
愛媛
25
高知
7
福岡
103
佐賀
14
長崎
8
熊本
15
大分
5
宮崎
17
鹿児島
18
沖縄
5
情報元:IDWR2025年第4週(2025年1月20日~2025年1月26日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

伝染性紅斑

情報元:IDWR2025年第4週(2025年1月20日~2025年1月26日)
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
びせいぶつ芸能社
風疹ゼロプロジェクト
「水ぼうそう・帯状疱疹」ホントのところ

予防接種トピックス

感染症発生動向調査による小児科定点(約3,000か所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000か所)からの報告数に基づいたデータ解析によります。
感染症発生動向調査とは(厚生労働省ホームページより)
すこやか201 知ってアクション!感染症の予防

予防接種スケジュール

※国立感染症研究所サイト

インフルエンザ情報

情報元:日本医師会、日本薬剤師会、日本大学薬学部、(株)EMシステムズ
厚生労働省が12月20日に発表した「インフルエンザの 発生状況について」令和6年第50週(12/9~15) によると全国のインフルエンザ定点当たり報告数は19. 06。前週から9.03から2倍以上の急増で、3週連続 して倍増・・・
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厚生労働省が12月20日に発表した「インフルエンザの 発生状況について」令和6年第50週(12/9~15) によると全国のインフルエンザ定点当たり報告数は19. 06。前週から9.03から2倍以上の急増で、3週連続 して倍増を続けています。全都道府県で前週より増加。大 分と福岡が30を超え警報レベルに。鹿児島、愛媛、佐賀 千葉、愛知、北海道、鳥取、大阪、広島、長野、島根、岐 阜、山口、三重で20を超えています。感染症に詳しい大 阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医 師は「インフルエンザがいよいよ本格的な流行となってい ます。新型コロナが流行する以前は、今年のように急激に 増加するように流行が広がっていきました。ようやく新型 コロナの影響が弱まり、以前のような流行の仕方が戻って きたという印象があります。例年の流行のピークは年明け でしたので、流行の始まりが少し早まっているのか、それ とも今後さらに増加して大きな流行になっていくのかどう かは、注視する必要があると思います。定点当たり報告数 は年によっては60近くまで増加することもありました」
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