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何らかの症状があるときは、マスクを! 何らかの症状があるときは、マスクを!
 厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、2023年第23週(6月5〜11日)の全国の定点当たり報告数は5.11。前週の4.55から、およそ12%増加しています。都道府県別にみると、沖縄県18.41・鹿児島県7.37と高い数値になっており、東京でも5.99となっています。

 また、新規入院の患者数も増えてきています。

感染症の専門医は・・・

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「当院においても、今週は入院患者が増加しています。多くは80代の高齢者の方ですが、50代、60代の方もいらっしゃいます。スタッフにも感染者が出ていますし、新型コロナはじわじわと増えている印象です」と語っています。

7〜8月に再び大きな流行が?

 5月8日から新型コロナウイルス感染症は5類感染症になりました。これにより、政府として一律に日常における基本的な感染対策は求めない、新型コロナ陽性者及び濃厚接触者の外出自粛は求めないことになり、行動制限やマスクの着用義務がなくなりました。しかし、新型コロナウイルスが消滅したわけではありません。

 安井医師は、「梅雨時は、気温が高くもなく低くもなく、雨が降っていなければ、窓を開けるなど換気がしやすい状況にあります。また湿気があるため、飛沫があまり遠くに飛ばなくなり、新型コロナウイルスが流行しにくい環境にあると言えます。しかしそれでも感染者数は増加しているわけで、梅雨が終わる7月から8月にはまた大きな流行が来るのではないかと予測しています。新型コロナで学級閉鎖・学校閉鎖が各地で起こっていますし、子どもも大人も新型コロナへの警戒は引き続き行っていただいたほうがいいと思います」としています。

「お子さまが新型コロナウイルスに感染したときのポイント」

 厚生労働省ではホームページで「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」という情報を公開しています。その中で、子どもが新型コロナウイルスに感染したときのポイントを紹介しています。

・新型コロナウイルス感染症に感染された方について
 発症後5日間かつ症状が軽快して24時間程度は他人に感染させるリスクが高いことから、外出を控えることが推奨されます。また、10日間が経過するまでは、マスクを着用し、まわりの方へうつさないよう配慮しましょう。なお、学校保健安全法施行規則においても「発症したあと5日を経過し、かつ、症状が軽快したあと1日を経過するまで」を新型コロナウイルス感染症による出席停止期間としています。

・お世話する方や同居家族の方について
 ご自身の体調にも注意し、感染した方の発症日を0日として、特に5日間は注意してください。7日目までは発症する可能性があります。外出するときは人混みを避け、マスクを着用しましょう。高齢者等のハイリスク者との接触を控えるなど、まわりの方へうつさないよう配慮しましょう。

・お子さんの観察ポイント
 機嫌、食欲、呼吸の様子などを観察してください。機嫌がよく、食欲があり、顔色が普通であれば基本的に心配いりません。慌てずに様子を見たり、かかりつけ医に相談してください。受診に迷った場合は、夜間や休日の場合は電話相談窓口などを利用してください。

家庭でできる感染対策

・窓を開けて換気
 共用スペースや他の部屋なども頻繁に換気しましょう。

・可能な範囲で部屋を分ける
 子供の世話は、できるだけ限られた方で行い、接触する時間をなるべく短くしましょう。子どもは自らの体調管理・体調不良の意思表示が十分にできないことを留意し、健康状態のチェックを入念に行いましょう。

・可能な範囲でマスクを着用
 児童本人を含め、同居家族全員はできるだけマスクを着用しましょう。ただし、乳幼児のマスクには注意が必要であり、特に2歳未満のお子様のマスク着用はやめましょう。

・手洗いなどの手指衛生
 こまめに手を洗いましょう。

 新型コロナウイルス感染症は、症状が治まっても、後遺症が出る場合があります。できるだけかからないよう、普段の生活から気をつけましょう。


引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について(2023年6月16日)、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について、「お子さまが新型コロナウイルスに感染したときのポイント」
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏