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夏は感染が拡大? 夏は感染が拡大?
 厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、2023年第26週(6月26〜7月2日)の全国の定点当たり報告数は7.24。前週の6.13からさらに増加しています。5月8日から感染症法上の位置付けが5類感染症になり、発生動向の発表方法が変わりましたが、変更後初めて定点当たり報告数が発表された第19週(5/8〜14)以来、7週連続して増加となりました。

 報告数の最も多い、沖縄県では、48.39と8.91ポイント増加しています。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、新型コロナウイルス感染症の臨床医でもある大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「現在、主流となっているXBB系統の特徴は、感染やワクチンで免疫を獲得していても、それをすり抜ける免疫回避する能力が高いことです。沖縄県は、これまでも罹患割合の高い地域だったにも関わらず、これだけ流行が広がっています。他の地域でも、同様の流行をみせてもおかしくはありません。今後、大きな流行になった場合に備え、医療関係者は、準備しておく必要があります。これからの季節、湿度の高さや気温の上昇から換気をためらいがちですが、こまめな換気を心がけてください。また、手指衛生などの基本的な感染対策のほかに、流行状況をみながら、時期・場所・目的などからマスクの着用を検討してください」としています。

夏の感染対策のポイント

 感染対策としては従来どおり、「換気」「手洗い・手指消毒」が有効です。冷房を入れていても換気を心がけ、換気扇も活用してください。ウイルスは手から目や鼻、口に入ることがあるので、流水や石けんによる手洗い、アルコール製剤などでの手指消毒が有効です。また、高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば、重症化リスクが高まります。夏休みやお盆で帰省するなど高齢の方と会う場合や、大人数で集まる場合は、感染予防を心がけ体調を整えるようにしましょう。医療機関や高齢者施設を訪問するときには、うつさないためにもマスクの着用が効果的です。

引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について(2023年7月7日)

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏