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新型コロナ流行に要警戒 新型コロナ流行に要警戒
 厚生労働省が7月14日に発表した令和5年第27週(7/3〜9)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は9.14。前週よりも1.9ポイント、約25パーセント増加しています。5月8日から感染症法上の位置付けが5類感染症になり、発生動向の発表方法が変わりましたが、変更後初めて定点当たり報告数が発表された第19週(5/8〜14)以来、8週連続して増加しています。沖縄では減少に転じましたが、九州全県をはじめ西日本を中心に16の県で、定点当たり報告数が10ポイントを超えています。

新型コロナはただの風邪ではない

 安井医師はこれからも新型コロナへの警戒を続ける必要があるとしています。

 「私が勤務する病院でも、高齢者の方や、基礎疾患を持っている40〜60歳代の方が毎日のように入院してきます。そして、今でも亡くなる方はいらっしゃいます。新型コロナウイルス感染症の特徴はやはり、高齢者の方、基礎疾患のある方が重症化する傾向があることだと思います。特にワクチンを1度も接種されていない方は、症状が重くなる傾向があるという印象があります。まだはっきりしたことはわかっていませんが、新型コロナウイルス感染症は、症状が治まってもそのままウイルスは体内に残存し、それが後遺症を引き起こしている可能性があります。新型コロナウイルス感染症はただの風邪ではなく、かかっていい感染症ではないと思います」と語っています。

令和5年春開始接種

 新型コロナワクチンの接種については、現在は「令和5年春開始接種」が実施されています。接種を受けることができる方は次のすべての条件を満たす方で、一人1回限り受けることができます。

◎日本国内で初回接種(1回目・2回目)が完了している方、またはそれに相当する接種を完了している方。

◎次のいずれかに該当する方
・65歳以上の方
・5〜64歳で基礎疾患を有する方
・医療従事者等及び高齢者施設等の従事者

◎前回の接種から以下の一定期間が経過していること
・ファイザー社及びモデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチンを接種したい場合:3か月以上
・武田社(ノババックス)の従来ワクチン(1価)を接種したい場合:6か月以上

 令和5年春開始接種では、基本的にオミクロン株対応の2価ワクチンによる接種が推奨されていますが、接種を受ける身近な医療機関等に相談の上接種を進めてください。

現在のワクチンは、XBB.株にも効果はある

 第8波ではオミクロン株BA.5を中心に感染が広がりましたが、現在は同じくオミクロン株の変異株XBB.系統がほとんどとなり、特にXBB.1.16系統が増加傾向にあります。XBB.系統の特徴としては、ワクチン接種や感染によって得た免疫が効きにくいという報告がされています。ワクチンを接種していても、また以前に感染したことがある方でも、再び感染する可能性があります。

 ただし、オミクロン株対応2価ワクチンはBA.4-5対応型ですが、現在流行しているXBB.株に対しても、従来型ワクチンより効果があるとされています。重症化のおそれのある方は、ワクチン接種をご検討してもいいかもしれません。

インフルエンザが流行している地域も

 また、今年の夏の特徴として、インフルエンザの患者の発生があります。毎年冬に流行しているインフルエンザですが、鹿児島を中心に九州地方で患者が多く発生しています。

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「インフルエンザは日本では冬の感染症として知られていますが、熱帯や亜熱帯では年間を通じて低レベルの発生が見られる地域や、複数回流行する地域もあります。日本で冬以外に患者がみられるという現象は、理由はわかりませんが不思議なことではありません。また、新型コロナが流行して以来大きな流行がみられなかったインフルエンザが、第9波が訪れようとしている今の時期にも患者がある程度発生しているというのも、今までになかった現象で、感染症の予測の難しさを表していると思います。新型コロナもインフルエンザも、手指衛生やマスクなどで感染対策を忘れずにお願いします」としています。


引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について令和5年第27週(7/3〜9)、令和5年春開始接種についてのお知らせ
国立感染症研究所:新型コロナウイルス感染症の直近の感染状況等(2023年7月7日現在)

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏