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生後6か月以上の全ての方が対象 生後6か月以上の全ての方が対象
 2023年9月20日から、オミクロン株(XBB.1.5)に対応した新型コロナワクチンの接種「令和5年秋開始接種」が始まりました。その内容を詳しくお伝えします。

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どんなワクチンを接種するの?

 現在流行の中心となっているエリス株(EG.5)をはじめ、その前に流行していたXBB.1.5などは全てオミクロンXBB系統の変異株で、現在検出されている変異株の約95%はこのXBB系統です。今回使用されるオミクロンXBB.1.5に対応した1価ワクチンですが、これまでの試験でXBB系統への有効性が期待できると考えられています。

初回接種を終了したすべての方が対象

 対象者は初回接種を終了している、生後6か月以上のすべての方で、1回接種します。特例臨時接種として、令和6年3月31日まで自己負担なしで接種を受けられます。※初回接種とは、初めて受ける新型コロナワクチン接種のことで、5歳以上の方は2回、6か月から4歳の方は3回の接種になります。まだ初回接種を受けていない方は、詳しくは各自治体にご相談ください。初回接種の方に対しても9月20日以降はXBB.1.5対応ワクチンが接種されます。

ワクチンの効果は?

 新型コロナワクチンには、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する高い効果があり、また感染や重症化を予防する効果も確認されています。時間の経過によって、重症化予防は比較的高く保たれているものの、感染予防効果や発症予防効果が徐々に低下する可能性があるとされ、感染・発症予防には追加接種が有効とされています。

重症化リスクの高い方には推奨

 令和5年秋開始接種は、生後6か月以上のすべての方が対象ですが、特に接種を推奨されているのが、65歳以上の方、そして5歳以上で基礎疾患がある方です。

感染症に詳しい医師は・・・

 感染症に詳しい大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「当院は新型コロナウイルス感染症患者等受入の重点医療機関となっており、今も重症の患者さんが入院されています。肺炎が悪化して人工呼吸器を使われる方もいますが、やはりワクチンを接種されていない方のほうが重症化する傾向にあると言えます。ワクチンの接種に関しては、この先いつまで打ち続けるのか、またmRNAのワクチンの是非など、いろいろな意見があると思います。実際今回の令和5年秋接種では、生後6か月以上のすべての方が対象にはなっていますが、推奨されているのは高齢者や基礎疾患があるなど、重症化リスクが高い方です。ですが新型コロナは、決して軽く見てはいけない感染症です。少しでも感染・発症のリスクを防ぐために、ワクチンの接種を検討していただければと思います」と語っています。

ワクチンの副反応は?

 ワクチンの接種にはメリットがある反面、副反応というデメリットがあります。XBB.1.5対応ワクチンの場合、12歳以上では50%以上に注射部位の痛み、頭痛、疲労などが現れます。また5〜50%の割合で、注射部位の腫れ、発赤・紅斑、下痢、筋肉痛、関節痛、リンパ節症、悪寒、発熱があります。また、予防接種では健康被害が起こることがあります。極めてまれではあるものの、なくすことはできないことから、救済制度が設けられています。申請に必要となる手続きなどについては、住民票がある市町村にご相談ください。

接種はどこで受けられるの?

 令和5年秋開始接種は、お住まいの市町村の医療機関で受けられます。また、接種会場が設置される自治体もあります。原則として住民票のある市長村で受けることになりますが、住所地以外で受けられる場合もあるので、詳しくはお住まいの自治体などにお問い合わせください。

10月からはインフルエンザワクチンの接種も開始

 すでに流行が始まりつつあるインフルエンザのワクチン接種も10月から始まります。インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同時接種が可能です。ワクチンの在庫など、医療機関によって対応は異なるので、詳しくは各医療機関にお問い合わせください。

引用
厚生労働省:(追加接種)令和5年秋開始接種についてのお知らせ、新型コロナワクチン接種「令和5年秋開始接種第2報」(令和5年9月12日)、新型コロナワクチンQ&A

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 安井良則氏