#1 9月12日放送 「50歳を超えたら心配な『帯状疱疹』」



--知ってアクション、感染症の予防。50歳を超えたら心配な「帯状疱疹」。

--帯状疱疹の発症率は50歳代から高くなります。高齢者に多い病気で、おなかや背中などからだの片側に水ぶくれのような発しんが出るのが特徴です。(※9)



--なぜ、高齢になると帯状疱疹になりやすいのでしょうか?予防接種に詳しい医師に聞きました。



専門医「帯状疱疹は、かつては多くの人が感染した水ぼうそうの病原体である『水痘・帯状疱疹ウイルス』が原因で発症します。(※9)」



専門医「子どもの頃に水ぼうそうにかかると、症状が治まってもウイルスは神経の一部に潜み続けます。(※10)」



専門医「そして、高齢になるなど免疫機能が低下すると、再びウイルスが活性化して、帯状疱疹を引き起こします。(※10)」



専門医「また、帯状疱疹は発しんが治ったあとも、発しんが起こった箇所の神経痛が長く続くことがあります。(※10)」



--帯状疱疹はどのように予防すればいいのでしょうか?



専門医「帯状疱疹はワクチンで発症や重症化を予防することが期待できます。(※10)」



専門医「任意接種となりますが、生ワクチンや不活化ワクチンがあり、それぞれ接種回数など特徴があるので、かかりつけの医師に相談して下さい。(※11)」



専門医「副反応については、注射した部位の痛みや腫れ、まれにアナフィラキシーなどが起こる場合があります。(※12、13)」



--帯状疱疹の原因となる水ぼうそうは、どのように予防すればいいのでしょうか?



専門医「帯状疱疹の原因となる水ぼうそうは、水痘ワクチンで予防することができます。(※14)」



専門医「水痘ワクチンは定期接種になっており、標準的には1歳になってから1回目を、そして6〜12か月間隔をおいて2回目を接種します。2回の接種で、発症を予防できるか、発症しても軽症で済むと考えられています。(※14)」



専門医「水ぼうそうも帯状疱疹もワクチンで予防できます。発症する前に接種していただければと思います」

※9 国立感染症研究所:帯状疱疹ワクチン ファクトシート(平成 29 年 2 月 10 日)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000185900.pdf

※10 国立感染症研究所:水痘・帯状疱疹の動向とワクチン(IASR Vol. 39 p129-130: 2018 年 8 月号)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-iasrtpc/8223-462t.html

※11 国立感染症研究所:日本の定期/臨時/任意予防接種スケジュール(2023年4月1日〜)
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2023/JP20230401_02.pdf

※12 独立行政法人医薬品医療機器総合機構:ワクチン接種を受ける人へのガイド「乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(チャイニーズハムスター卵巣細胞由来)」(2021年10月更新)
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/340278_631341BE1028_2_01G.pdf

※13 独立行政法人医薬品医療機器総合機構:ワクチン接種を受ける人へのガイド「乾燥弱毒生水痘ワクチン」(2021年10月更新)
https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/630144_631340ED1022_1_01G.pdf

※14 厚生労働省:水痘 Q&A Q2 水痘をワクチンで予防することは可能ですか?
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html#Q02

出演:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則医師
更新:2023/9/12