【感染症ニュース】インフル全国定点0.45 新型コロナ2.27 医師「夏の感染症の増加に注意」
2024年5月10日更新
身の回りでの感染に注意
身の回りでの感染に注意
厚生労働省が2024年5月10日に発表した2024年第18週(4/29-5/5)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は2.27。前週(4/22-28)の3.22と比べ、減少しました。また、同日に発表された「インフルエンザの発生状況について」によると、2024年第18週(4/29-5/5)のインフルエンザの全国定点報告数は、0.45。前週(4/22-28)の1.07から減少し、定点報告数が1.0を切りました。現状について、感染症に詳しい医師に聞きました。

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感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「新型コロナ・インフルエンザ共に、減少傾向にあります。しかし、第18週は、大型連休で医療機関が閉まっている影響もあり、実際、どの程度減少しているのか、正確に見極めるために、しばらく時間が必要です。先日、高齢の方の入院がありましたが、ご本人に自覚症状がなく、突然、呼吸困難になったとのことです。ご家族からの感染とみられていますが、未だ入院される方は、後を絶ちません。家庭内で、感染した人がいる場合、高齢者や基礎疾患のある方は、悪化する可能性もあります。高齢者の方は、熱が出ないケースも多くあるため、周囲の方は、息苦しそうにしている・顔色が悪いなど、体調の変化にも気を配ってあげてください。また、手足口病やアデノウイルス感染症など、夏の感染症がゆっくりと流行を始めています。今後、増加すると考えられるので、注意が必要です」としています。

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルス感染症は、発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不じゅうぶんであったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。

インフルエンザ症状と対策

インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。

引用
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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