再び流行の波が? 再び流行の波が?
厚生労働省が令和6年1月19日に発表した令和6年第2週(1/8-14)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」によると、全国の定点当たり報告数は8.96。これで8週連続の増加になりました。都道府県別では多い順に岐阜、茨城、愛知、長野、佐賀、熊本、山梨、福島、大分が12を超え、全国的に感染が広がっていることがわかります。

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新たな派生株JN.1の感染者が増加

また、国立感染症研究所感染症疫学センターが発表した「新型コロナウイルス感染症サーベイランス週報令和6年第1週(1/1-7)」によると、昨年52週のデータでは流行の主流となっている派生株はオミクロン株XBB系統(HK.3、JG.3、GK.1.1ほか)の約61%ですが、同じオミクロン株のBA.2系統(BA.2.86.1、JN.1、JN1.1など)が約37%に増加しています。その中でもJN.1は24%を超えており、現在は半数以上がJN.1になっていると予想されています。

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、
「第2週のデータはまだ学校が始まったばかりですし、連休の影響で医療機関の診療日数が減っているため、感染症の報告数は少なめになっていると考えたほうがいいと思います。私は、新型コロナウイルス感染症の患者を多く診察していますが、症状としては主に39℃前後の高熱、ノドの痛みで、咳や頭痛、倦怠感なども現れています。流行当初に言われていた味覚障害、嗅覚障害を訴える方は減っている印象ですが、高熱が出ると高齢の方や基礎疾患がある方は特に体力の消耗が激しく、その後の生活に影響があると思います。依然として新型コロナウイルス感染症は、甘くみてはいけない、警戒すべき感染症であると考えています」と語っています。

経験談① 新型コロナウイルス感染症 26歳茨城県

流行の拡大に合わせ、経験談の投稿も増えています。これは茨城県の26歳の方の経験談です。「発症前日(1/12)まで仕事で、13〜15は三連休だった。
13日朝起きると喉に違和感あり、唾を飲み込むと痛みがあった。ただ乾燥したのだろうと思いスルーしていたが、お昼頃から寒気と関節の痛みがあった。熱はなし。コロナなんて思っていなかったため受診には行かず。夜から少し咳が出始めたので早めに就寝。
14日 朝起きると昨日よりも喉の痛みが酷くなっており、唾を飲み込むとヒリヒリした。しかし午後には痛みは無くなった。空咳は出ていたが、体調不良、熱なし。この日も早めの就寝。
夜間〜15日 咳が出る、気持ち悪さで1時間毎に目が覚める。熱はなし。
15日 明日出勤なので病院を受診 コロナ陽性
この日は朝から咳が多かったが熱はないため、まさかコロナだとは思わなかった。
病院から帰ってきた後は隔離部屋に移動。ただ喉が痛い、少し声枯れがあるくらいだったので普段のように過ごせた。
夜間〜16日 咳が出るとなかなか止まらなくなる。水は必須。夜間2回トイレに起きた。
朝方がピークで喉がゴロゴロ言い始め、声も出しづらくなった。声が出ても長く話せなくなる。薬飲んで横になっていた。午後にはだいぶ落ち着き喉のゴロゴロもなくなった。薬飲んで早めに就寝。
夜間〜17日 一回目が覚め、水を飲んだくらいでぐっすり眠れた。
朝方には喉の痛みはすっかりとなくなっていたのでビックリした。こんなに早く治るものなんだと...
今は時々咳が出るくらいで症状はほぼない。あとは声枯れが治ればという感じです」

経験談② 新型コロナウイルス感染症 47歳三重県

こちらは47歳の三重県の方の経験談です。
12日に息子がコロナ陽性。14日に私自身に喉の痛みが出始める。
熱は36.9度とそれ程高くはなく普通に生活出来る。
15日午前中、36.8度と前日同様喉の痛みは感じるものの生活出来るレベルで仕事に向かう。
15日午後、体に怠さを感じる。妻からコロナ感染の連絡入る。帰宅し、体温測定すると37.0度。しかしその後、急激に悪寒が走る。ここから一気に熱が上がり最高39.0度。悪寒が酷く夜は殆ど眠れず。
16日に発熱外来に行くとコロナ陽性確定。熱は38.7度。処方されたカロナールを飲むと悪寒は治るが、切れると再び悪寒。夕方から喉の痛みも急激に酷くなる。唾を飲み込むと痛むレベル。カロナールを飲んで寝るの繰り返し。
17日、悪寒はマシになるも喉が焼けるように痛い。熱は37.0度。痰と鼻水も出るようになった。ただ熱が下がったぶん大分身体は楽になった

抗ウイルス剤の服用も視野に入れて

安井医師は、新型コロナウイルス感染症の治療には、抗ウイルス薬の使用が有効と話します。「インフルエンザの治療には抗ウイルス薬が処方されることが多いと思いますが、新型コロナウイルス感染症に対しても抗ウイルス薬が、症状の改善や重症化を防ぐために有効であると考えられています。症状や重症化リスクの程度により、様々な抗ウイルス薬がありますので、まずは医師の診察を受け、処方していただいてください。抗ウイルス薬でウイルス量を減らすことは、後遺症の軽減・防止にもつながると考えます。薬価が少々高いというデメリットもあるので、医師とよく相談をして使用を検討してみてください」

引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について令和6年第2週(1/8-14)、新型コロナワクチンQ&A、新型コロナウイルス感染症診療の手引(第10.0版)

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏